24/09/2026
富士王朝 第五章 逆流 ― 道は、一方通行ではない ―
道は、一方通行ではない。
能登を離れ、アルプスを越え、
富士の明見から伊豆へ渡った鳥たちは、西へ飛んだ。
明見。
安曇。
渥美。
飛鳥。
明日香。
阿須賀。
漢字は違う。
だが、耳で聞けば、その音はどこか似ている。
伊豆から熊野へ。
阿須賀神社で現れた「速玉」。
青ヶ島に残る、天野早虫。
天野。
早。
速。
そして古い「早」の字を追った先で、
私は思いがけないものに出会った。
杓子。
第一章から歩き続けてきた、杓子山。
偶然なのだろうか。
熊野川を遡ると、
玉。
北斗七星。
布都御魂。
再生の玉石。
第一章から拾ってきた鍵が、再び姿を現し始める。
そして熊野を越え、奈良へ。
ところが――
奈良まで来たはずなのに、
道は再び富士へ戻ってきた。
海の道も。
山の道も。
川の道も。
道は、一方通行ではない。
『富士王朝』
第五章 逆流
― 道は、一方通行ではない ―
新章公開。
第五章 能登を離れ、アルプスを越え、富士の明見から伊豆へ渡った鳥たちは、西へ飛んだ。 明見。 安曇。 渥美。 飛鳥。 明日香。 阿須賀。 漢字は違う。 だが、耳で聞けば、その音はどこか似ている。 地名の多くは、.....