16/06/2026
大変に貴重な楽器
写真右側のKeyの少ない楽器が、19世紀後半にフランス=パリで製作された、アルセーヌ・ゾイ・ルコントと言う貴重な木管楽器です。
今回のコンサート、竹下先生はこの楽器で演奏する予定です。
竹下正登先生より木管フルートについて。
フルートは、現在学科教育で使用するリコーダーと同じ種の楽器であり、今から300年ほど前の時点では、同じ「フルート」の名称で認識され、今、一般的に私たちがフルートと呼んでいる楽器は、「横のフルート」と呼ばれておりました。
形態的にも、両者は木の管に孔を開けただけの楽器で、この形態は、現代でも「縦のフルート」つまり、リコーダーでは、そのまま変わること無く残っています。
リコーダーの素材は現在に至るまで木材ですが、日本では学校教育現場での使用などに伴い耐久性の強い合成樹脂でも作られています。
一方横のフルートは、演奏する楽曲の複雑化、オーケストラや演奏会場の大型化に伴い、木の管に孔を開けただけの構造から、複雑な演奏技能に対応すべく、少しずつKeyメカニズムが取り付けられて行きました。
そして、メカニズムが現在のフルートと同様の姿に進化した頃から、管の素材に、より共鳴反応の速い金属を用いる試みが出てきます。
最初は銅+ニッケル+亜鉛の合金である洋銀に始まり、その後現在に至るまでに銀、金、プラチナと、その素材は進化を続けています。
一方、古来の素材である木材に、現代的なメカニズムを搭載した物も根強い人気を保っており、現在も内外の著名各社が製造を続けています。
しかしながら、木材は自然素材であり、製材してから楽器に加工を行う迄に50年以上のシーズニングが必要で、現在では、過去の乱伐や歴史上の紛争の影響などから、楽器に使用する木材の枯渇が深刻な問題となっています。
資源保護の観点から、ワシントン条約による流通の制限も加わった事で、リコーダー、フルートのみならず木を素材とするその他の木管楽器群、クラリネット、オーボエ、ファゴット等の生産と供給は、当面無くなることはありませんが、生産縮小や価格の高騰等々、厳しい状況になりつつあります。
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